借金の返済で困っている方の中には、「債務整理やおまとめローンで返済負担を軽くしよう」と考えている方もいるでしょう。
どちらも借金の返済負担を軽くするのに有効な方法ですが、債務整理とおまとめローンの違いは知っていますか?
本記事では、債務整理とおまとめローンの違いとそれぞれのメリット、デメリット、どちらの手続きが自分に合うかについて、詳しく解説しています。
ぜひ最後まで読んで、借金返済の負担を軽くするための参考にしてください。
この記事でわかることは?
- 借金負担を軽くするための最適な方法がわかります
- 債務整理とおまとめローンの違い
- それぞれのメリットデメリットについて
- 債務整理が向いている人とおまとめローンが向いている人
債務整理とおまとめローンはどう違う?

まず、債務整理には任意整理、個人再生、自己破産の3種類があり、それぞれ以下の違いがあります。
- 任意整理
今後の利息をカットする
- 個人再生
借金の返済総額を小さくして分割で返済する
- 自己破産
借金の返済義務をなくしゼロにする
次に、おまとめローンは、複数の借入がある債務者向けに金融機関が提供している商品で、複数の返済先を1つにまとめることで借金を返済しやすくします。
債務整理とおまとめローンの内容や違いを見ていきましょう。
債務整理とは
債務整理とは、借金や返済額の減額、支払猶予などの法的手続きのことで、任意整理、個人再生、自己破産の3種類があります。
任意整理は、債権者との交渉で今後の利息をカットしたり返済期間を延長する手続きで、比較的短期間で手続きが完了することが多いです。
個人再生は、元金を含めた借金総額を減らす手続きで、最大で90%の借金を減額できます。
ただし、裁判所を通す公的な手続きのため、利用するには条件があり、誰もが手続きできるわけではありません。
自己破産は、所有するほとんどの財産を処分することになりますが、原則すべての借金を免除してもらえます。
おまとめローンとは
おまとめローンとは、借入先が複数ある多重債務者向けに、銀行などの金融機関が提供しているローン商品の1つです。
例えば、A、B、Cの3社からそれぞれ50万円を借りているとすると、毎月3回返済日が到来し利息も3社分発生するため返済が苦しくなります。
そこで、D銀行から150万円借りて3社へ一括返済し、それからDへ150万円を返済していく、というのがおまとめローンです。
おまとめローンは、銀行なら東京スター銀行や横浜銀行、楽天銀行など、消費者金融ならプロミスやアコム、アイフルなどが提供しています。
債務整理とおまとめローンの違い
債務整理とおまとめローンの違いを3つ説明します。
| 誰が手続き? | ブラックリスト | 元本は減る? | |
|---|---|---|---|
| 債務整理 | 弁護士や司法書士など専門家 | 登録されてしまう | 元本も減る |
| おまとめローン | ご自身個人で | 登録されない | 利息のみ軽減 |
まずは手続きする人についてです。
債務整理は、多くの場合弁護士や司法書士などの専門家に依頼しますが、おまとめローンは個人で手続きします。
次に、ブラックリストに登録されるかについては、債務整理は登録されますが、おまとめローンは登録されません。
また、債務整理は利息や元本の大幅な軽減が見込めますが、おまとめローンでは利息は多少軽減できても元本を減らすことは不可能です。
さらに、債務整理なら過払い金が戻る可能性もありますが、おまとめローンは過払い金は戻りません。
最後に、債務整理の場合ブラックリスト掲載中は新規借り入れできず、おまとめローンであれば新規借り入れの申し込みができます。
債務整理のメリット
債務整理には、借金の減額や免除、返済の督促が止まる、生活にほぼ影響がないといったメリットがあります。
メリットの内容と、なぜそのようなメリットがあるのか、仕組みや理由について見ていきましょう。
借金が減額・免除される
債務整理で裁判所に返済が困難であると申し立てをする、あるいは返済の見込みがないと認められれば、返済額の減額や免除がされます。
減額される金額は、借入額や保有財産によって幅がありますが、最大で90%の借金の減額が可能です。
返済期間は原則3年ですが、最長で5年まで延長でき、減額後の借金の返済が完了後は、減額前の借金については支払い義務が免除されます。
借金返済の督促が止まる
債務整理をする際には、多くの方が弁護士や司法書士に依頼をし、依頼を受けた弁護士や司法書士は債権者へ受任通知を発送します。
受任通知とは、「弁護士や司法書士が債務者の代理人として債務整理手続きを行う」ということを債権者に知らせるための通知です。
受任通知が発送されると、債権者からの督促や取り立てが止まるという法的な効果があります。
生活にほぼ影響はない
債務整理をすると、一定期間は新たな借り入れができないなどのデメリットはありますが、日常生活に大きな支障はないでしょう。
たとえば、債務整理をしても仕事を失うことはなく、賃貸住宅を追い出されることもありません。
選挙に参加でき、役所で住民票などの取得も問題なくできるため、債務整理をしてもほぼこれまで通りの生活を送れます。
おまとめローンのメリット
おまとめローンには、借金を一本化できる、利息が一つになる、金利が下がる、といった債務整理とは違うメリットがあります。
それぞれの内容や仕組み、理由は以下の通りです。
借金を一本化できる
おまとめローンで借金の借入先を一本化することで、バラバラだった返済日や返済額、残高などの管理が簡単になります。
手間や時間も軽減され、返済を楽にできるでしょう。
また、返済の支払いが遅れると遅延損害金が発生するため、おまとめローンで借入先を1つにまとめれば払い忘れのリスクを防げます。
利息が一つになる
闇金やクレジットカードの借り入れは金利がとても高いため、複数の借入先がある場合には、金利の負担だけで相当なものになってしまいます。
おまとめローンで、借入先を1つにまとめれば払い忘れのリスクを防げるのと同様に、金利の支払先を1つにできれば返済の負担も楽になるはずです。
金利が下がる
利息制限法では以下のように上限金利が定められています。
■利息制限法による上限金利
- 限度額が10万円未満
20%
- 限度額が10万円以上100万円未満
18%
- 限度額が100万円以上
15%
たとえば、3社からそれぞれ50万円の借り入れがある場合、上限金利は18%です。
そこで、おまとめローンで100万円以上を借りれば上限金利は15%になり、毎月の返済額を減らせて返済が楽になります。
債務整理のデメリット
先ほどは債務整理のメリットを3つ説明しましたが、メリットだけではなくデメリットもあります。
ここでは、ブラックリストに登録される、5~7年は借金ができない、保証人に迷惑がかかるという3つのデメリットについて考えてみましょう。
ブラックリストに登録される
債務整理をしたという情報は、戸籍や新聞などに掲載されることはありませんが、個人信用情報機関に金融事故情報(=ブラックリスト)として登録されてしまいます。
ブラックリストに登録されると、新たな借り入れや住宅ローンなどが制限されますが、ブラックリストを閲覧できるのは銀行やローン会社といった金融機関だけです。
守秘義務があるため情報が漏洩する可能性は低いでしょう。
5~7年は借金ができない
ブラックリストに登録されている間は、新たな借り入れをしたりクレジットカードを作成したりができません。
ブラックリストに登録される期間は、債務整理のどの手続きをするかによって異なります。
■手続き方法によるブラックリストに登録される期間の違い
- 任意整理
手続き完了から約5年
- 個人再生・自己破産
手続き完了から約5~7年
そのため、5~7年は借金ができません。
保証人に迷惑がかかる
保証人のついている借金を債務整理すると、減額された分の請求が保証人にされてしまいます。
任意整理であれば、保証人のついている借金を債務整理の対象から外せば保証人へ迷惑がかかることを防げますが、個人再生と自己破産の保証人はそうはいきません。
債務者は、個人再生や自己破産で借金が減額、免除されても、保証人は返済の義務を負うため、返済できないなら保証人も債務整理しなければならなくなります。
おまとめローンのデメリット
おまとめローンを利用して、状況が好転することはたしかにあります。
しかし、債務整理と同様にメリットだけでなくデメリットもあるため、おまとめローンを利用するならきちんと理解しなければなりません。
審査が厳しい
おまとめローンは借り入れのための審査が比較的厳しいです。
既に多重債務の状態で、改めてお金を借り直すため、借入額が大きくなりがちでどうしても審査は厳しくなります。
そのため、安定した収入がない場合や返済の目途が立たない方は、おまとめローンを利用するのは難しいです。
また、返済能力によっては借金分の全額を借りられない可能性もあります。
借金が増えることもある
おまとめローンで他社の借金を完済すると、借り入れ可能額が空くため、また借金をしてしまうことがあります。
たとえば、おまとめローンの返済のために、借金を完済した業者から再度借り入れをすれば、結局おまとめローンを利用する前より借入額が増えてしまい本末転倒です。
また、借金を完済したことで気が緩んでまた借金してしまう可能性があります。
過払い金は戻らない
債務整理では、払いすぎた利息(過払い金)があれば、過払い金返還請求をすればお金が戻ります。
しかし、おまとめローンは金融商品で金利の引き直し計算をしないため、過払い金があるかわからずあっても取り戻せません。
よって、過払い金が発生している可能性があるなら、債務整理で問題を解決したほうがいいでしょう。
債務整理とおまとめローンはどっちがいい?
これまで、債務整理とおまとめローンのメリット、デメリットを説明しました。
「どちらにもメリット、デメリットがあるから、結局どちらがいいのかわからない」と悩んでいる方もいるでしょう。
そこで、債務整理が向いている人とおまとめローンが向いている人の特徴をまとめました。
どちらで手続きしようか迷ったら、参考にしてください。
債務整理が向いている人
借入先が複数あり、多額の借金で毎月の返済が苦しい人や、利息を払うだけで精一杯、という人はおまとめローンより債務整理が向いています。
また、過払い金が発生している人も同様です。
債務整理をすれば、返済額を減らせたり、返済義務をなくしたりできるため、借金問題を解決する糸口が見つかります。
少しでも早く借金問題を終わらせたいのであれば、おまとめローンより債務整理をするほうがいいでしょう。
おまとめローンが向いている人
高金利で複数の借り入れがあり、おまとめローンを利用しても返済を続けられるなら、債務整理よりおまとめローンがいいです。
貸金業法で「総量規制」というルールがあります。
これは、年収の3分の1を超える借り入れの返済は難しく、返済不能になるリスクが高いため施行されたルールです。
このルールがあるので、高金利で複数の借り入れがあり、その総額が年収の3分の1を超えていないなら、債務整理よりおまとめローンのほうが問題を解決しやすいでしょう。
まとめ
債務整理には、任意整理、個人再生、自己破産の3つがあり、それぞれ手続き内容が異なります。
借金が減額や免除されるなどのメリットがありますが、ブラックリストに登録される等のデメリットもあるので注意が必要です。
一方おまとめローンは、借金の返済を一本化でき管理が楽になりますが、金融機関にお金を借りているため借金しているという状況は変わりません。
おまとめローンで返済が楽になるかは人によりますので、それぞれのメリット、デメリットを踏まえてどちらがいいか考えましょう。
決めきれないときは、司法書士などの専門家に相談すれば、的確なアドバイスをもらえます。

